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MH.net北大法科大学院紹介

建設日:2004/04/24
更新日:2004/10/06

 第3回リポート

 履修計画の穴

今回のポイント

■ キャップ制問題
履修登録上限の関係上,必修科目以外には12単位しか取れません。しかし,来年開講されない科目は42単位もあります。よくよく吟味して,取りたい科目を優先して取るように気をつけないといけません。

緒言

今回は前回リポートを踏まえて, 北大法科大学院(ロースクール)のカリキュラムにおける履修上の問題点を指摘します。

ただ,これは北大特有の問題だとは思えません。小規模のロースクールでは尚更のことかも知れません。

文中の学年の表記だけわかりにくいので,再掲しておきます。

  • 基礎年=3年コース(未習)1年次
  • 深化年=3年コース(未習)2年次と2年コース(既習)1年次
  • 最終年=3年コース(未習)3年次と2年コース(既習)2年次
問題点(忌まわしきキャップ制)(10/6修正)

まず,キャップ制の基礎知識は第2回リポート「卒業単位・キャップ制」で押さえてください。

北大法科大学院では,およそ100(数え間違えがなければ101)の科目が開講されます。

このうち,必修の基礎法領域はどこも似たり寄ったりでしょうからいいとして,「売り物」の応用法学領域では20科目の「学際プログラム」と41科目の「先端・発展プログラム」があります。

しかし,前回リポートでも書いたように,3年コース1年次で必修以外に履修できる余裕は4単位(2コマ),3年コース2年次と2年コース1年次で必修以外に履修できる余裕は12単位(6コマ)しかありません。

3年コース1年次では学際プログラムと先端・発展プログラム中の知的財産法しか選択肢がなく,それらの殆どは4単位科目なので1つ取ったら終わりです。

同様に3年コース2年次と2年コース1年次では6コマですから,履修できるのは3〜6科目のみです。

3年コースの人でも,先端・発展プログラムに関しては1年次では知的財産法以外は履修できないので,実質的に2年間しか履修するチャンスがありません。

よって,履修する科目は相当慎重に選ばないとなりません。

ここで大きな問題は「応用科目の多くは2年に一度しか開講されない」ということです。

例えば,現代商取引法Tは今年開講されますが来年は開講されず,現代商取引法Uは今年開講されずに来年開講されます。

それゆえに2つの問題が発生します。

■ 第一に,3年コース2年次と2年コース1年次では12単位しか履修できないのに,今年開講している科目の多くは来年開講されないので,どうしても取りたい科目があるのならば優先して取らないと,履修できずに卒業することになるということです。

具体的には,現代商取引法T,現代取引民法,現代知的財産法A,現代知的財産法B,租税法,情報法,国際法特論,地方自治法,ヨーロッパ法,アジア法,法哲学,比較法T,法史学U,法と経済学Uの14科目(他にも来年開講が未定の科目が4科目あります)は,来年開講されない予定ですので,2年コース1年次の人はこれらを取りたいのなら今年しかチャンスがありません。

※新たに,国際法特論が不開講,国際法Tが開講で決定されました。引き続き,企業法務,医療訴訟,環境法特論,政策分析の4科目は未定です。(10/6加筆)

また,今年開講せず,来年は開講するけど,再来年は開講されないであろう科目(隔年開講科目)も多くありますから,来年の3年コース2年次と2年コース1年次の人は,来年を逃すとそれらを履修できなくなります。

■ 第二に,いくつかの分割開講(現代商取引法T,Uなど)科目では,2科目が交互に開講されます。そうすると,今年に現代商取引法T,来年に現代商取引法Uで履修できるのならいいのですが,来年の3年コース2年次と2年コース1年次の人は,逆順(現代商取引法U→T)でしか履修できません。

当然,逆順でも大丈夫なのか?という素朴な疑問が浮かんできますが,大学に訊いても「大丈夫」という答えが返ってくるのは容易に予想がつきます。

このように,3年コース2年次と2年コース1年次の「12単位」という狭い選択肢の中で,来年開講されない(または開講されない可能性のある)18科目(42単位)から選ぶ必要があります。

処方箋

事の大変さが,少しはお分かりいただけたでしょうか。そこで仕方なく,いくつかの方法で学生たちは乗り越えているようです。

(案1)諦める

冗談のようですが,半ば諦めている人が多いです。結局,司法試験科目は必修になっている科目が殆どですから,そのほかの「興味半分」の科目は履修できなくても仕方なし,と。

(案2)聴講

どうしても受けたい科目があるけどキャップ制(履修登録上限)に引っかかる。仕方がないので単位は諦めて,出席だけして登録もせず,試験も受けず。

私(MH)の場合,経済法と現代経済法Bがこれに当たります。貴重な12単位のうち,経済法関係に6単位も割くことはできません。

当然,「履修する授業を減らすことによって,ひとつひとつの授業に専念させる」というキャップ制の理念を潜脱することになりますが。

(案3)発展先取り

経済法や知的財産法などの多くでは4単位の基礎科目と2単位の発展科目があります。

12単位という手持ちを大切に使うため,先に2単位の発展科目を履修し,手持ちがたくさんある最終年(2年コース2年次)に4単位の基礎科目を取る,という手。やや裏技です。

私(MH)の場合,経済法系と国際法系がこれにあたります。

現代経済法A(経済法演習)と国際法特論の2単位科目を今年取り,来年は最終年(2年コース2年次)で30単位以上の手持ちから,経済法と国際法T,Uの合わせて12単位を取る予定です。

問題は,学部時代に経済法と国際法を履修していなかったので,いきなり発展科目を取ると数倍ハードになるということです。現に私は相当辛い思いをしています。

(案4)必修切り

これは秘技です。3年コース2年次と2年コース1年次の深化プログラム(28単位中24単位が必修)は毎年開講されます。落としても大丈夫。来年も必ず開講されるので拾えますし,2科目(4単位)までは落としたままでも卒業できます。

大学側も今年落とした人のために,3年コース2年次と2年コース1年次で取る深化プログラムと,最終学年で取る深化プログラム等の必修科目は開講曜限が重ならないように配慮するとのこと(確約はありませんが)。

ただし,ちょっと失敗すると留年するので,周りにこの秘技をする人は見当たりません。

結語

案内パンフレットや公式サイトからは見えてこない問題を指摘してみました。わかりにくい説明だったらごめんなさい。

私の在籍する北大法科大学院では,みんな履修計画に頭悩ませ,そして何らかの解決策を見出してゆきました。

あなたの通うロースクールや,入学を検討しているロースクールではどうですか?良かったらぜひ教えてください。

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